研究実績の概要 |
研究開発中の補償光学適用光干渉断層計(AO-OCT)を用いて、萎縮型AMD患者の黄斑部視細胞を経時的に観察し、細胞密度、細胞形態、血管密度・形態・配列に関するデータを蓄積している。現在までに20名のデータを取得済みである。経時的変化を観察するため、6ヶ月に一度検査を施行中である。中心窩から0.5mm,1mm,2mmの各細胞像を上・下・鼻・耳側で取得し、2回目以降の撮影では初回と同部位の測定を行っている。 得られた正常および萎縮型AMD患者の黄斑部視細胞・網膜色素上皮細胞・脈絡毛細血管板の形態に関するデータと、眼底自発蛍光のシグナルで示される網膜色素上皮の機能・OCT angiographyの加算平均画像で得られる脈絡膜毛細血管の形態との関連を検討するため、眼底自発蛍光・OCT angiographyデータの取得も行っている。また視機能との比較のため、マイクロペリメトリーも施行している。 萎縮型AMD患者・正常対照者から採血を行い、DNAサンプルを保存中である。DNAサンプルを用いて近年AMDの発症・進展に関与する因子として報告されているCFH, ARMS2, C3, C2, CFB, ApoE遺伝子等の様々なターゲット部位をPCR増幅しTaqman SNP assayで遺伝子多型を検出中である。更に高速エクソームシークエンスを行い、レア多型・未発見多型を含め、遺伝子多型が視細胞異常にどのように関わっているか網羅的に解析するための基盤を構築中である。
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