網膜色素変性(RP)の神経炎症機序を明らかにするため、特に死細胞から放出される障害関連分子パターン(DAMPs)の認識機構に着目して研究を行った。RPモデルマウスから、DAMPs認識の主要経路であるTLRs/Myd88とCLRs/Card9のそれぞれをノックアウトすると、Myd88欠失により網膜変性が促進された。またMyd88欠失により、マイクログリアの網膜外層への遊走が阻害され、網膜環境の恒常性が崩れた。従って、TLR/Myd88経路はRPのDAMPs認識機構として重要であり、マイクログリアの活性化・遊走を介して網膜保護的な役割を担うことが明らかとなった。
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