研究課題/領域番号 |
19K09956
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
吉川 匡宣 奈良県立医科大学, 医学部附属病院, 研究員 (20632764)
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研究分担者 |
大林 賢史 奈良県立医科大学, 医学部, 特任准教授 (30596656)
宮田 季美恵 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (40596748)
緒方 奈保子 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (60204062)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 緑内障 / 生体リズム / サーカディアンリズム / メラトニン |
研究実績の概要 |
本研究は緑内障群200名と健常群700名を対象とした横断研究で、緑内障がうつ症状・睡眠障害・認知機能障害や生体リズム指標と関連しているのか、また非視覚的光感受性や緑内障重症度が眼圧・血圧変動と関連しているのか明らかにすることである。平成31年度は110名の緑内障患者のベースライン調査( 眼科検査;視力・眼圧・視野検査・網膜神経線維層厚測定・角膜厚・眼軸長測定など、生体リズム関連検査;瞳孔反応検査・血圧日内変動検査・眼圧日内変動検査・メラトニン分泌量・うつ症状・睡眠の質・認知機能検査・身体活動量検査など)を行うことができ、概ね順調に進行している。 また本年度には研究代表者が筆頭著者を務める論文3報が英文科学誌に採択・掲載された。そのうちの一つである緑内障患者での夜間血圧上昇について明らかとした研究成果(Yoshikawa T, et al. Ophthalmology 2019)は本研究の目的である緑内障が生体リズムへ与える影響の一つである。本研究成果から緑内障患者は生死に関わる心血管系イベントの発症リスクが高い可能性が示唆された。本研究成果は緑内障患者が夜間血圧上昇を介して健康を害する危険性を啓発する点で社会的意義が高いと考えられる。また光曝露とは独立した緑内障患者とうつ症状の関連(Yoshikawa T, et al. British Journal of Ophthalmology 2019)、白内障患者と動脈硬化との関連(Yoshikawa T, et al. Circulation Journal 2019)について明らかとした研究成果は本応募研究を検討していく上で重要な基礎データとなる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成31年度は120名の緑内障患者について眼科検査及び生体リズム関連検査の主要項目を測定することができた。全体として当初の計画通りに調査・測定が進行している。また、本研究の目的達成のために必要な複数の論文を科学誌に採択・掲載されたことは評価できる。
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今後の研究の推進方策 |
前年度と同様に緑内障患者のベースライン調査を引き続き実施する。また平成31年度に測定した検査データを整理し、解析作業の準備を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初予定の目標対象者数よりも若干少ない対象者数であったため残金が発生した。次年度は当初研究計画の目標対象者数を若干上方修正することで次年度に研究繰越金を使用して研究を実施する。
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