研究課題
中心性漿液性脈絡網膜症(CSC)は30-50歳の成人男性に多く発症する黄斑疾患で、加齢黄斑変性の前駆病態となることが指摘されている。本研究の目的は、CSCで再発を繰り返す例や加齢黄斑変性への移行例のリスク因子を見出し、早期の介入により更なる病状進展、視力低下を抑制することである。これまで①眼底画像からのハイリスク症例の抽出、②身的・外的ストレス量と、個人のストレス忍容性の検証、③患者の見え方のシミュレーションから適切な自己チェック法の構築の3つで、研究を進めてきた。最終年度においては①脈絡膜の詳細な画像所見について、光干渉断層計や蛍光眼底造影検査所見から各種画像解析を行い、複数の学会報告を行った。現在論文投稿に向けて準備中である。また多施設研究を通じて、多数のハイリスク症例の検証を行い、1つはBMJ Ophthalmology誌に受理された。もう1本も査読後再投稿を行っている。さらにCSCから加齢黄斑変性に移行する症例の特徴を検証する目的で、年齢ごとのCSCの背景素因や画像所見を検証した。こちらはJpn Journal of Ophthalmology誌に掲載された。方法②については、血中のαクロト濃度についてCSCと関連することを見出し、学会報告を行った。こちらは現在論文投稿中である。またストレス検出の方法として、非侵襲的に検査を行うことのできる瞳孔反応を施行・解析中であるが、CSC患者において自律神経機能のアンバランスを示唆するデータが得られている。③については、関西学院大学との共同研究で、成果の一部を学術誌に報告できた。
すべて 2022 2021
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 2件、 招待講演 1件)
BMJ Open Ophthalmology
巻: 7 ページ: e000976
Jpn J Ophthalmol
巻: 65 ページ: 761-768
10.1007/s10384-021-00861-5.
巻: 65 ページ: 372-379
10.1007/s10384-021-00815-x