本研究では、生体内の代謝産物およびmRNAの網羅解析をおこない、その結果を包括的に解釈する統合オミックス解析をおこなうことで、視神経障害における網膜神経節細胞の代謝異常のダイナミズムを予測し、緑内障モデル動物において網膜神経節細胞死との関連が報告されているNrf2の活性低下を調べることを目的とした。RNA-seqの結果、Nrf2発現や下流のNqo1の発現低下は認められなかった。一方で、グルコースの低下や解糖系に関連する遺伝子群の発現減少が生じており、視神経挫滅時における網膜神経節細胞内での解糖系の減衰によるエネルギー産生低下が示唆された。
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