研究課題/領域番号 |
19K09967
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
中村 浩幸 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (10211434)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 外側膝状体 / 視覚連合野 / 頭頂葉 / 松果体 / 明るさ情報 |
研究実績の概要 |
網膜で受容した明るさ視覚情報を、視床外側膝状体から1次視覚皮質を経由せずに頭頂葉視覚連合野皮質へ入力する神経回路、ならびに、中枢神経経由で松果体へ入力する神経回路を形態学的に検討した。 頭頂葉視覚連合野への明るさ入力神経回路を明らかにする目的で、イソフルラン麻酔下にてアカゲザル1頭の頭頂葉視覚連合野皮質V3A野に、逆行性神経トレーサー(ファーストブルー、ディアミディノイエロー)を微量注入した。バルビタール深麻酔下で脳を灌流固定し、全脳の凍結連続切片を作成して逆行性に標識された神経細胞の分布を観察した。ファーストブルーはV3A中央部に、ディアミディノイエローはその尾側部に微量注入されていた。ファーストブルーにて逆行性に標識された神経細胞は、外側膝状体極小細胞層のS層とK1-4層の吻尾の中央レベルで内外に散在していた。ディアミディノイエローにて逆行性に標識された神経細胞は、外側膝状体極小細胞層K1-4層のやや尾側の内側部に局在していた。ファーストブルーとディアミディノイエローにて逆行性に標識された神経細胞は、外側膝状体から連続して視床下枕核、視床外側枕核外側部に分布していた。 明るさ視覚情報が網膜から中枢神経経由で2-3シナプスを介して松果体へ入力する経路を明らかにする目的で、lar Long-Evansラット2匹に順行性標識神経トレーサー(バイオサイチン)を微量注入した。lar Long-Evansラットの麻酔条件が不明なため、元大阪大学黒澤らの報告(Kawai et al. Exp. Anim. 2011:60(5):481-487)を元に、メデトミジン・ミダゾラム・ブトルファノール混合麻酔を試行錯誤した。トレーサー注入実験には、報告されている麻酔量の2倍以上の麻酔薬投与が必要だった。トレーサー注入後、脳を灌流固定し全脳の凍結連続切片を作成した。結果は解析中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
健康状態が悪かったため。
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今後の研究の推進方策 |
ラットにおける神経トレーサー実験を重点的に推進する。
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次年度使用額が生じた理由 |
腹壁ヘルニアの手術で、入院休養が必要であった為、研究を思い通りに遂行できなかった。さらに、研究実施施設移動の為、大幅に時間を取られ、次年度使用額が生じた。当該費用は、実験動物購入費用、消耗実験機器と研究試薬の購入に充てる。
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