アカゲザル1頭およびラット(lar Long-Evans)2匹を用いた。 アカゲザルの脳にて、外側膝状体から頭頂葉視覚連合野皮質への投射の存在の有無とその投射様式を検討した。まず脳MRI画像を撮影し、大脳皮質の3次元再構築画像を作製した。画像から、頭頂間溝深部に存在するV3A野のステレオ上の位置を確認した。回復期間の後、塩酸ケタミンと塩酸メデトミジンにて麻酔導入し、1.5%イソフルランにて麻酔した。麻酔中、保温パッドで体温を維持し、ソリタT3G点滴補液した。実験中は、血圧、呼吸、直腸温、心電図、末梢血中酸素濃度をモニタした。頭部を脳定位固定装置に固定後、正中切開にて開頭した。逆行性神経トレーサー2%ファーストブルーならびに4%ディアミデイノイエローをそれぞれ別の微小ガラスピペットに充填し、窒素圧にて頭頂葉視覚連合野V3A野へ極微量注入した。2週間後に塩酸ケタミンと塩酸メデトミジンにて麻酔導入し、ペントバルビタール深麻酔下にて、脳を4%パラフォルムアルデヒドで環流固定し、前額断凍結連続切片を作製した。ファーストブルーはV3A野吻側部に、ディアミディノイエローは尾側部に注入されていた。ファーストブルー標識神経細胞は外側膝状体のk1-4層とS層に散在性に分布していた。ディアミディノイエロー標識神経細胞はk1-4層尾側内側部とS層に分布していた。 ラットを3種混合麻酔(塩酸メデトミジン0.6mg/kg+ミダゾラム8mg/kg+酒石酸ブトルファノール5mg/kg)にて麻酔し、脳定位固定装置を用いて頭部を固定した。20%バイオサイチンを充填した微小ガラスピペットを用いて、窒素圧にてトレーサーを微量注入した。5日後にペンとバルビタール深麻酔下にて脳を灌流固定し、前額断凍結連続切片を作成した。エリートABC-DABにて可視化した。結果は解析中である。
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