研究課題/領域番号 |
19K09969
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
森本 壮 大阪大学, 医学系研究科, 寄附講座准教授 (00530198)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 神経保護 / 電気刺激 / 網膜神経節細胞 / 人工網膜 |
研究実績の概要 |
今年度は、ラット眼への慢性電気刺激装置および刺激電極の作製、慢性刺激装置の埋植手術方法の開発、装置の長期間埋植の実現可能性について検討を行った。 慢性埋め込み刺激装置は、ユニークメディカル社から購入し、眼球への埋め込み電極については、申請者がいくつかの電極を作製し、最適な電極を開発した。刺激装置の固定方法については、岡山大学脳神経外科で行っている方法を岡山大学に出張し、固定方法を習得した。 完成した装置を、ロングエバンスラット12匹に対し埋植した。方法は、ラットの左眼の視神経を切断し、直後に電極を強膜に逢着し、次いで、慢性刺激装置をラットの背中に固定した。6匹については手術7日後での電極の固定や装置の固定、断線の有無について確認した。 さらに4匹については、バッテリーを交換し、さらに7日間刺激を行った。 最初の2匹は、電極のケーブルの強度が弱く断線したが、ケーブルの強度を強くした4匹は断線しなかった、さらにそれを用いて2週間刺激したラット6匹は断線がなく、2週間刺激可能であった。 今年度の研究で、2週間まで電気刺激が可能な慢性刺激装置と手術方法が確立できた。次年度は、これを用いて、電気刺激の網膜神経節細胞に対する神経保護効果を検討していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ラットへの慢性刺激装置の埋植方法の確立が困難と予想されたが、岡山大学脳外科の先生方のおかげで、埋植方法が確立できた。
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今後の研究の推進方策 |
次年度以降、ラットの視神経切断モデルに対し、慢性刺激装置を埋植し、長期間の連続電気刺激の有用性について検討する。 新型コロナウイルス感染の影響で研究を推進させることが困難になることが予想されるが、可能な限り研究を進めていくように様々な対策を検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
慢性刺激装置を2台使用しており、実験によって破損すると予想されたが、破損せず使えたことと、刺激電極についても、自作に切り替えたため、電極作製の費用が予想より少なかった。 次年度は、新たに慢性装置を購入する必要があり、そのための費用に充てる予定である。
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