研究課題/領域番号 |
19K09976
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研究機関 | 埼玉医科大学 |
研究代表者 |
庄司 拓平 埼玉医科大学, 医学部, 客員教授 (70637058)
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研究分担者 |
篠田 啓 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (60245561)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 緑内障 / 視野計 / 眼球運動 |
研究実績の概要 |
昨年度までに、非検査眼の状態により緑内障を罹患した検査眼の視野感度がどのような影響を受けるかを確認した。特に両眼開放下で被験者がどちらの眼に視標が提示されているか自覚することなく検査を行う両眼ランダム検査を用いて、従来の単眼遮蔽での視野感度と比較した。視力と中心視野閾値に基づいて両眼をそれぞれbetter eye、worse eyeに割り当て、単眼毎視野検査と両眼ランダム単眼視野検査によって得られた中心視野感度の結果を比較した。その結果、両眼ランダム単眼視野検査では単眼毎視野検査と比べて、better eyeの中心感度は有意に高かった反面、worse eyeの中心感度は有意に低かった。単眼毎視野検査は依然として臨床現場で緑内障の検出や進行評価に最も有用な手段であるが、両眼ランダム単眼視野検査は、患者の日常生活に近い両眼視でのQuality of Vision (QOV)を評価にする上で今後有用な臨床ツールであることが示唆された。本研究は査読付きの国際雑誌に受理にされ出版された。 眼球運動を加味した視野感度測定も、日常視に近い視野感度測定という関連からは重要である。昨年度は眼位移動プログラムの作成も進めた。眼球運動負荷を大きくしすぎると、再現性が大きく低下することが判明した。本年度は同プログラムを完成させ、屈折異常以外に疾患のない眼に対して施行した。結果として、若年者では正視位や内転位よりも外転位において感度が若干ながら有意に向上することが判明し、本研究内容は査読のある国際雑誌に投稿・受理された。 本年度は疾患眼においても臨床試験を開始した。正常眼・緑内障眼及び強度近視眼を対象に試験を開始した。症例の蓄積が当初予定よりも若干遅れたたため。現 在症例蓄積中であるが、結果を報告し、国際学術雑誌へ投稿した。現在査読中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
臨床研究における症例の蓄積に当初の想定よりも時間を要した。現在目標症例数に到達しつつある。引き続き症例を蓄積しつつ、現在までの成果を国際学術雑誌に投稿を行った。現在一部の研究成果については査読中である。
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今後の研究の推進方策 |
次年度はさらに症例を蓄積、解析を行い、結果を査読付き国際学術雑誌に複数投稿予定である。経費は論文投稿費用に充てる予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初想定した症例蓄積のペースを下回り、症例募集期間が延長したため解析・論文投稿に遅延が生じた。次年度は、投稿する英文雑誌の投稿料・掲載料に経費を充てる予定である。
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