研究課題/領域番号 |
19K09979
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
永井 紀博 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (10327611)
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研究分担者 |
小澤 洋子 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (90265885)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 高脂肪食 / 脈絡膜 / 網膜色素上皮 / 炎症 |
研究実績の概要 |
Balb/Cマウスに高脂肪食もしくは普通食を1か月間投与した。高脂肪食には通常の7倍の脂肪を含有するHigh Fat Diet 32(CLEA Japan,Inc., Japan)を使用した。 高脂肪食群では普通食群に比べ、体重、内臓脂肪の増加がみられた。また脈絡膜における血管内皮増殖因子、インターロイキン1β、TNFα、アンジオテンシノーゲンといった炎症関連因子のmRNAの発現は普通食群に比し、高脂肪食群で有意に増大していた。さらに白血球走化因子であるMCP-1のmRNA、タンパクの発現は高脂肪食群普通食群に比し、高脂肪食群で有意に増大しており、これに伴って、F4/80を発現したマクロファージの脈絡膜への浸潤が高脂肪食群で増大していた。網膜電図では普通食群に比べ、高脂肪食群でa波の振幅が有意に低下していた。このように高脂肪食投与により、網膜色素上皮・脈絡膜の炎症と視機能低下が生じることが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
高脂肪食投与により、網膜色素上皮・脈絡膜の炎症と視機能低下が生じることが明らかになった。今後脈絡膜血管新生を誘導し、炎症性血管新生について評価を行う。
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今後の研究の推進方策 |
レーザー光凝固モデルの作成を行う。Balb/Cマウスに高脂肪食/コントロール食を1ヶ月間摂取させる。夜の時間帯の8時間のみ食餌にア クセスできる群、1日中自由に摂取できる群を作成し、インスリン抵抗性等を評価する。レーザー光凝固モデルの作成し、脈絡膜新生血管体積 を共焦点顕微鏡で解析する。脈絡膜への炎症細胞浸潤、血管新生因子、炎症関連分子、脂質の発現を解析する。さらに 脈絡膜、肝臓、脳視交叉上核における時計遺伝子発現を6時間おきに検討し、概日リズムを評価する。
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