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2022 年度 実績報告書

視覚アレスチンの発現調節により近視の原因である眼軸延長を抑制する研究

研究課題

研究課題/領域番号 19K09987
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

吉田 武史  東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, ジョイントリサーチ講座准教授 (30451941)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワードアレスチン / 近視 / 網膜色素上皮細胞 / ウィルス遺伝子治療
研究実績の概要

近視の本態は眼軸の延長であり、それに伴い強膜が菲薄化し眼球の脆弱性を著しく増長することでさまざまな合併症が生じる。しかしながら、近視発症と進行のメカニズムは不明であり現在まで分子メカニズムに言及したエビデンスのある治療法は確立されていない。そこで今回我々は近視の分子メカニズムについて明らかにすることで新しい近視治療を開発することを目標とした。
今回の研究により、①視覚アレスチン(Arrestin1:Arr1)は眼瞼縫合により発現する実験近視眼(マウス)の網膜内での発現が減少する。②網膜で発現したArr1はRPEの貪食機能によりRPE自身に取り込まれる。③アデノウィルスを用いた網膜へのArr1発現を促す遺伝子導入により、近視誘導が約30%抑制される。④Arr1電子を導入した眼のRPEでは強膜のコラーゲン構造に影響を及ぼすTGFの発現が更新しており、その結果強膜は近視進行の原因の一つである菲薄化が抑制されていた。
上記のことから、近視の発症にはArr1が抑制方向に深く関与しており、Arr1の発現を亢進させることにより近視抑制を可能にすることが明らかになった。
今回の結果は、発症と進行のメカニズムが不明な近視の分子メカニズムについて世界で初めて明らかにしたものであり、治療の道を切り開いたと言える。近視は全世界で急速に増加しており大きな社会懸念となっていることから、今回の結果は世界に対して大きなインパクトを与えるだけでなく大きな社会貢献に寄与すると考えられる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Association between peripheral visual field defects and focal lamina cribrosa defects in highly myopic eyes2022

    • 著者名/発表者名
      Mochida Shiho、Yoshida Takeshi、Nomura Takuhei、Hatake Ryoma、Ohno-Matsui Kyoko
    • 雑誌名

      Japanese Journal of Ophthalmology

      巻: 66 ページ: 285~295

    • DOI

      10.1007/s10384-022-00909-0

    • 査読あり

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公開日: 2023-12-25  

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