研究課題/領域番号 |
19K09997
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
本田 茂 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 教授 (60283892)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 中心性漿液性脈絡網膜症 / SLC7A5 / LAT1 / 網膜色素上皮細胞 |
研究実績の概要 |
1)SLC7A5(LAT1)遺伝子のrs11865049多型について既に報告した二つのコホートに加えて新たなCSC患者群および対照群におけるリスクアレル頻度を測定し、計三つのコホートを用いたメタ解析を行った。その結果、CSCとrs11865049は固定効果モデルでp<0.0001、ランダム効果モデルでp=0.044と有意な関連を認めた。 2)代表的な培養RPE株であるARPE19細胞におけるLAT1遺伝子の基礎発現量を確認し、ハイドロコーチゾンあるいはアルドステロンを負荷することによって容量依存的にLAT1遺伝子の発現量が増加する事を認めた。 2)トランスウェルを用いて培養RPEの物質輸送実験を行い、上記実験系で認めたハイドロコーチゾンあるいはアルドステロンによるLAT1の発現量増加が物質(FITCデキストラン、L-DOPA、フルオレセイン)の輸送量に変化をもたらすか、さらにLAT1選択的阻害薬JPH203によってその輸送量を制御できるかを調べるため、JPH203開発企業と提供契約を結び、同薬を入手した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2020年度初頭から流行したCOVID19の影響による当大学の方針のため全ての研究業務を一定期間休止せざるを得なかった。その後もCOVID19感染重症者の大学受け入れに伴う業務負担によって研究を行う時間が十分に確保できない事態に遭遇した。
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今後の研究の推進方策 |
現在は培養細胞による実験を遂行中であるが、目的の結果が得られ次第、大学内の遺伝子改変マウス作製プログラムとの協働で速やかにLAT1 トランスジェニックマウスを作製し、通常飼育およびストレス負荷時における網膜下への滲出性変化の有無や網膜、脈絡膜の形態的変化を観察する。また、蛍光眼底造影を行って網膜および脈絡膜の循環状態をコントロールマウスと比較する計画である。
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次年度使用額が生じた理由 |
2020年度はCOVID19流行による府外移動制限があったため旅費の算定が生じなかった事から次年度使用額が生じた。2021年度の請求額と合わせて予定通りの研究を進めて行く計画である。
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