本研究期間では、実験近視を用いた構造解析を試みた。手法として、眼球組織の透明化による脈絡膜全層の構造解析が可能となることが明らかとなった。この手法はこれまでメラニン色素に覆われ困難であった組織の解析法として有用である。 一方で、構造解析による明らかな近視発生のメカニズムは解析困難であった。特に近視発生早期の構造変化は脈絡膜の肥厚という特徴的な変化はあるものの、構造上の差異は乏しいということであり、おそらく、血流変化など生理的な変化が先行するものであると考えられた。 水晶体嚢の解析は加齢により、明らかに水晶体嚢の構造が加齢によって脆弱化することを明らかにした初の報告であり、今後さらなる検討を要する。
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