研究課題/領域番号 |
19K10008
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
冨田 興一 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (90423178)
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研究分担者 |
矢野 健二 大阪大学, 医学系研究科, 招へい教授 (40174560)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 乳房再建 / 脂肪組織由来間葉系幹細胞 |
研究実績の概要 |
乳房切除後、乳房皮膚知覚は障害される。再建乳房の知覚向上には、損傷知覚神経による皮膚再支配が必要である。過去に、移植皮弁を知覚皮弁とする試み(皮弁の知覚神経を乳房側の損傷神経と縫合)を行った。一方、近年、皮下乳腺全摘が普及し、皮弁皮膚を体表に露出せず、皮下へ埋め込むことが多くなった結果、知覚皮弁が使用頻度は減少した。しかし、埋め込み型知覚皮弁において、少なくとも皮弁の表面までは再生 神経は到達する。本研究では、埋め込み型皮弁の知覚化が皮膚知覚回復向上に寄与するかを検討する。さらに、末梢神経再生を促進する脂肪組 織由来間葉系幹細胞移植を併用することで、柔らかく知覚も兼ね備えた乳房の再建を目指す。 今年度はまず、細胞移植を伴わないラットモデルの作成を開始した。広範な知覚脱失領域の中に小範囲の知覚領域をした後、その知覚領域組織を皮弁として挙上、皮下へ埋め込むこんだ。実験群として以下の3群を作成中である。すなわち、知覚皮弁の真皮を残して脱上皮する群、知覚皮弁上の真皮も切除し皮筋・脂肪弁とする群、および皮弁の支配神経を切断し、知覚化を行わない群である。現在、経時的に痛覚、温覚、触覚に関して知覚領域(innervated)と非知覚領域(denervated)の境界線の変化を経時的に評価していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
動物モデル作成に加え、間葉系幹細胞より分化誘導したシュワン細胞を皮弁作成時に移植するモデルを作成予定であったが、コロナウィルスの影響により、実験を一時中断せざるを得なくなったため。
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今後の研究の推進方策 |
実験再開の許可が下り次第、速やかに各細胞の培養を再開し、動物モデル作成を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナウィルスの影響により、予定していた実験が一時中断となったため。 研究再開許可が下り次第、昨年度に予定していた実験を行う予定である。
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