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2019 年度 実施状況報告書

ExosomalmiRNA-21とインフラマソームの相互作用:難治性創傷での役割

研究課題

研究課題/領域番号 19K10010
研究機関宮崎大学

研究代表者

マドゥエスタ ラダ  宮崎大学, 医学部, 助教 (80381078)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワードMicroRNA / 慢性炎症 / インフラマソーム
研究実績の概要

近年、エクソソーム(Exosome)と呼ばれる細胞外小胞(細胞から分泌される小さな膜結合小胞)とexosomeに含まれるexosomal miRNAが様々な疾患の病態プロセスに関与していることが明らかとなってきている。特に、exosomal miRNA-21は多様な疾患の進行又は抑制システムとして働いていることが明らかになっている。本研究では、難治性創傷の遅延性炎症反応におけるexosomal miRNA-21 とインフラマソームの相互作用を解明することで、慢性炎症についての新たな知見を得ることを目的とした。
マウスマクロファージ細胞を用いて、miRNA-21 とインフラマソームの相互作用を検討している。マクロファージ細胞へLPSとATPにより刺激をあてえて、インフラマソーム活性化をおこした。Real-time PCR法と免疫ブロット法によりインフラマソーム蛋白であるNLRP3, Caspase-1, IL-1β, IL-18遺伝子の発現プロファイルを得た。LPSとATPによるインフラマソーム蛋白の発現が遺伝子レベルより蛋白質レベルで増加することが明らかになった。
一方、マクロファージ細胞を用いてmiRNA-21の過剰発現又は発現抑制細胞モデルを作成した。細胞にmiRNA-21遺伝子と抗生物質puromycin耐性遺伝子を含むプラスミドを導入し、puromycin抗生剤によりmiRNA-21の過剰発現した細胞を単離した。同じく、MiRNA-21の拮抗物質anti-miRNAをマクロファージ細胞へ導入し、miRNA-21発現抑制細胞モデルを作成した。
現在、それそれ細胞から分泌されるexosomeを採取し、無感作(ナイーブ)マクロファージ細胞へ導入し、受給細胞でのNLRP3, Caspase-1, IL-1β, IL-18とmiRNA-21の発現プロファイルを得るところである。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究では、難治性創傷の遅延性炎症反応におけるexosomal miRNA-21 とインフラマソームの相互作用を解明することを目的とした。マウスマクロファージ細胞を用いての実験により、LPS、ATPなど外因子により刺激与えて、インフラマソーム活性化をおこした。miR-21遺伝子を過剰発現させた細胞をあらかじめプラスミドに組み込まれた特異的な抗生物質に対する耐性を利用し単離した。同じく、MiRNA-21の拮抗物質anti-miRNAをマクロファージ細胞へ導入し、miRNA-21発現抑制細胞モデルを作成した。それぞれ細胞から分泌されるexosomeを採取し、無感作(ナイーブ)マクロファージ細胞へ導入した。現在、exosomeの解析と受給細胞でのインフラマソーム活性化とmiRNA-21の発現プロファイルを得るところである。

今後の研究の推進方策

今後の研究計画は、exosomal miRNA-21の解析を行い、exosomal miRNA-21による炎症機構制御をケモタキシスアッセイ・活性酸素種(ROS)アッセイにより調べる。さらに、exosomal miRNA-21の慢性炎症抑制:難治性創傷治癒促進作用の検討するため、
糖尿病性難治性創傷モデルマウスを作出し、エクソソーム化したmiRNA-21を投与し、創傷周辺組織を経時的に採取する。採取した組織を用いて、インフラマソームの発現・活性化、ROS産生、創傷治癒に必要であるコラーゲン沈着および再上皮化をReal-time PCR、ウェスタンブロット法、免疫組織染色法により評価し、exosomal miRNA-21による炎症抑制および創傷治癒促進作用を検討する。

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公開日: 2021-01-27  

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