研究課題/領域番号 |
19K10011
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
元村 尚嗣 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 教授 (30382188)
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研究分担者 |
藤川 平四朗 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 病院講師 (80740373)
前田 周作 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 病院講師 (30817789)
羽多野 隆治 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 准教授 (10382144)
八代 正和 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 准教授 (60305638)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 悪性黒色腫 / エクソソーム / 線維芽細胞 |
研究実績の概要 |
本研究は細胞間の情報伝達機構として最近注目されている細胞外小胞のエクソソームの観点から、悪性黒色腫細胞と癌微小環境の癌関連線維芽細胞(cancer-associated fibroblasts、 以下CAFs)との相互作用機序解明、具体的には、CAFsからの悪性黒色腫の増殖進展に関与するエクソソームを同定し、その機序に立脚した悪性黒色腫の新規治療薬開発を目的とする。 まず、皮膚悪性腫瘍患者(悪性黒色腫)より採取した組織を初代培養し、CAFs株およびNAFs(正常線維芽細胞)株を新たに樹立した。CAFsは悪性黒色腫と隣接した皮膚組織より採取し、NAFsは原発部位とは十分離れた部位から採取し樹立した。また、それとは別に皮膚悪性腫瘍患者(有棘細胞癌)よりNAFs株を樹立した。 以前より樹立しているCAFs、NAFs(悪性黒色腫)の培養上清を用いて、ヒト悪性黒色腫細胞3株(A375、MMAc、COLO679)の増殖能の検討を行った。検討は主にMTT assayを用いた。96well plateを用いて、それぞれの悪性黒色腫細胞に対して24時間、48時間、72時間で検討を行った。対照群は無血生培地とした。結果はセルラインによって違いはあるものの、CAFsでは増殖傾向、NAFsでは横ばいもしくは減少傾向にあった。これにより、CAFsは悪性黒色腫細胞に対して増殖を促進し、NAFsでは対照的に悪性黒色腫細胞を抑制しているのではないかということが示唆されている。今後は、新たに樹立した線維芽細胞株を用いて同様の検討を行う計画である。 また、それぞれの上清を用いて超遠心を行い、エクソソームの回収を行った。現在、安定したエクソソームの回収を行えるように、手技を確立している段階である。今後、回収したエクソソームを用いて、ヒト悪性腫瘍細胞の増殖能の検討を行う計画にしている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
実験を手伝う研究員の育休による実験のおくれ、またコロナウイルスによる大学院生の通学自粛等により、やや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
現在、コロナウイルス流行により緊急事態宣言が出されており、不要不急の移動の自粛が行われている。そのため、実験が一旦中断している状態である。収束すれば、計画書通りに実験を再開する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナウイルスの流行によって参加を予定していた学会がキャンセルになったため、また、物品の入荷がない状態になったため。次年度以降、物品費および旅費として使用予定である。
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