研究課題/領域番号 |
19K10011
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
元村 尚嗣 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 教授 (30382188)
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研究分担者 |
藤川 平四朗 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 病院講師 (80740373)
前田 周作 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 病院講師 (30817789)
羽多野 隆治 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 准教授 (10382144)
八代 正和 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 准教授 (60305638)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 悪性黒色腫 / エクソソーム / 線維芽細胞 |
研究実績の概要 |
本研究は細胞間の情報伝達機構として最近注目されている細胞外小胞のエクソソームの観点から、悪性黒色腫細胞と癌微小環境の癌関連線維芽細胞(cancer- associated fibroblasts、 以下CAFs)との相互作用機序解明、具体的には、CAFsからの悪性黒色腫(以下MM)の増殖進展に関与するエクソソームを同定し、その機序に立脚 した悪性黒色腫の新規治療薬開発を目的とする。現在使用している悪性黒色腫細胞は3系統、CAFs細胞も3系統である。前回までに、CAFs由来のエクソソームは癌細胞の増殖能を抑制する傾向にあると報告した。 今回新たに、所持しているCAFsからのエクソソームについてウエスタンブロットを行い、エクソソームの固有マーカーであるCD9、CD63、CD81の発現をしらべたところ、CD9、CD63の発現はみられたが、CD81の発現は3系統ともみられなかった。よって、MMのCAFsからのエクソソームはCD9+、CD63+のものがメインと考えられる。また、MM患者90症例について癌細胞およびCAFsについてCD9、CD63、CD81を免疫染色し、それぞれの5年無病率を比較したところ(ログランク検定)、CAFsのCD9+だった症例は予後良好であるという結果が得られた(p<0.05)。癌細胞のCD9+、CD63+、CAFsのCD63+についても、予後良好な傾向はみられたが有意差は認められなかった。これは症例数が少ないためと考えられる。 以上より、悪性黒色腫のCAFから産生されるエクソソームはCD9とCD63が主で、それらは悪性黒色腫細胞の増殖を抑制し、癌の悪性度を抑制していると考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1年間期間を延長したことで、実験がすすみおおむね順調にすすんでいると思われる。
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今後の研究の推進方策 |
現在得られている実験結果をもとに論文作成予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスの影響で、学会参加の制限や研究の進捗が遅れており次年度使用額が生じている。今年度中に使用する予定としている。
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