研究課題/領域番号 |
19K10015
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研究機関 | 東京医科大学 |
研究代表者 |
松村 一 東京医科大学, 医学部, 主任教授 (80256263)
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研究分担者 |
鈴木 知佳 東京医科大学, 医学部, 客員研究員 (40809597)
小宮 貴子 東京医科大学, 医学部, 准教授 (00385105)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 脂肪注入 / 乳房再建 / 血管新生 / マクロファージ / コラーゲンマトリックス |
研究実績の概要 |
脂肪注入は形成外科の分野において、比較的侵襲の少ない手術であり、陥凹修正・乳房再建・四肢における瘢痕性癒着予防など、様々な分野で多用されている。本法の問題点は、1回の移植量が限られること、移植脂肪の生着が不安定であることである。それゆえ、術後の生着容量の予想が難しく、多数回の移植が必要となる。移植脂肪細胞を安定的に生着させるためには移植部位の微小環境、特に血管新生・血行の早期安定化が最も重要と考える。平成28-30年度までの研究結果において、我々は脂肪移植時にコラーゲンマトリックス片を添加することにより、血管新生と脂肪生着率を有意に向上させることを明らかにした。しかし、組織修復に関与すると言われているマクロファージの病態については明らかにされていない。異物による炎症反応で生じたM1マクロファージ、また脂肪移植を向上するための組織再生により生じたM2マクロファージがある。炎症時にM2マクロファージは血管新生や幹細胞活性に関わっており、その長期的な活性によって、生着良好な脂肪移植をもたらすと報告されている。そのため1.マクロファージのタイプ別脂肪移植の生着率の確認、2.移植脂肪容量と生着率との関係を明らかにすることを目的に本実験を遂行し、臨床応用へ繋げていく。本研究計画は、臨床への応用に向け、広く普及し得る手技であり、低侵襲でより良い結果が得られる手技が開発できるであろう点が意義と考える。脂肪移植時にコラーゲン片と共に PPARγアゴニストを添加し、移植された脂肪組織を経時的に組織学的評価を行っている。またPPARγアゴニストは、ピオグリタゾンを調整しているがまだ良い結果が出ていない。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
脂肪移植時にコラーゲン片と共に PPARγアゴニストを添加し、移植された脂肪組織を経時的に組織学的評価を行っている。またPPARγアゴニストは、ピオグリタゾンを調整しているがまだ良い結果が出ていない。
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今後の研究の推進方策 |
今後も脂肪注入を行うラットの個体数を増やし、薬物添加で再度評価をしていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
最終年度の計画の実験が思うように進んでいない。2023年度も引き続き実験に使用する動物購入やシリンジや生理食塩水などの物品に充てる計画である。
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