研究課題/領域番号 |
19K10031
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
北山 晋也 横浜市立大学, 医学部, 講師 (30714258)
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研究分担者 |
鍵本 慎太郎 公益財団法人がん研究会, 有明病院, 副医長 (10737480)
矢吹 雄一郎 横浜市立大学, 医学研究科, 客員講師 (30610357)
前川 二郎 横浜市立大学, 医学研究科, 客員教授 (70244449)
三上 太郎 横浜市立大学, 医学研究科, 客員准教授 (90315804)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | lymphedema / biotube / microsurgery / regenerative medicine |
研究実績の概要 |
2021~2023年度までの研究により、biotubeの作成と大腿静脈への吻合・開存性に関して以下の結果を得ている。 (1)収縮により樹脂の外径よりやや小さい内径となるものの、概ね外径に対応した内径のbiotubeが形成された。600μm程度の小口径の樹脂を用いた場合にbiotube周囲の炎症細胞浸潤と壁の肥厚が見られる例があり、至適口径や限界口径などが存在する可能性が示唆された。(2)開存率は50%(14部位中7部位)で、口径別では大腿動脈と口径差の少ない樹脂Bで最も高く(57%)、最も内径の小さい樹脂Cで最も低い(33%)結果であった。動脈にbiotubeを吻合した過去の報告よりも開存率は低く、flowの強さや樹脂の口径/表面性状などの影響を受けている可能性が示唆された。また、回収したbiotubeの組織学的な解析としてHE・EVG・αSMA・CD34の各染色を行い、正常血管(動脈・静脈)を比較対象として以下の所見を得ている。(3)正常血管では中膜にEVGやαSMAで染色される組織を認めたが、biotubeでは吻合前・後に関わらずそれらを認めず、中膜用組織の再構築は認めなかった。(4)開存を認めたbiotubeの内腔には正常血管よりも薄いもののCD34陽性細胞の層を認め、tube内の内膜化が起こっていることが示唆された。 次いで、ヒト/ラットリンパ管内皮細胞の特性解析等を試みたが、内皮細胞の培養に際して安定した培養条件や操作の模索に時間を要し、COVID-19による影響を強く受けたこともあり、細胞増殖性や組織分化性などの解析を行うまでには至らなかった。
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