研究課題/領域番号 |
19K10032
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
岡本 秀貴 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 教授 (00453069)
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研究分担者 |
川口 洋平 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 助教 (90766734)
永谷 祐子 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 教授 (90291583)
浅井 清文 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 教授 (70212462)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 爪 / 上皮細胞 / 線維芽細胞 / 再生医療 / 硬性ケラチン / ハードケラチン |
研究実績の概要 |
爪の欠損は先天性、剥脱、挫滅などで引き起こされる。現在、爪欠損に対する有効な治療法はなく、患者からは再生医療による新たな治療法の確立が待たれている。我々はより質の高い爪の再生および臨床応用を実現することを最終的な目的としている。爪組織は一見単純な器官に思えるが、産生された硬性ケラチンを複雑な層状に重ねてさらに緻密な硬組織と成してそれを秩序的に一定方向に伸長させていくという非常に複雑な器官である。 ラットの前足および後足から爪母を顕微鏡下に採取して爪線維芽細胞を培養してゼラチン内に封入した。次にフィーダー細胞の上で爪上皮細胞を培養して、線維芽細胞を含んだゼラチンの上に爪上皮細胞を蒔いてラットの背部皮下に移植して生体内での爪産生を試みた。産生された物質を硬性ケラチンの抗体で免疫染色して硬性ケラチンの産生は確認できたが、産生された物質の形態が球状であり硬性ケラチンの分布も不均一であった。爪上皮細胞をラット背部皮下に移植する際のスキャフォード(足場)をポリカプロラクトンにしてみたが硬性ケラチンの産生は不十分であった。そこで移植する爪上皮細胞の密度を上げるために磁性を持つナノ粒子を爪上皮細胞に結合させて磁石上で培養する方法を試みている。そして、より爪に近い硬性ケラチンを作製するためにコラーゲン薄膜の上で爪上皮細胞を培養してラット背部皮下に移植したが硬性ケラチンの層と層の間がはがれてしまい理想的な爪(硬性ケラチン)の産生には至ってはおらず研究継続中である。
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