脂肪組織中に含まれる脂肪幹細胞は入手のしやすさ、安全性の高さなどから形成外科領域の疾患においても慢性下肢虚血、放射線障害組織、瘢痕拘縮組織、自己免疫性疾患など様々な難治性疾患の質的・機能的改善にその適応が拡大されつつある。脂肪幹細胞は均一な細胞集団ではなく、その中にはわずかながら高度な分化能を示す未分化細胞が含まれており、未分化状態を維持したまま選択的に大量培養することはこれまで困難であった。本研究によりそれが可能になることで、これまで根本的な治療法がなかった糖尿病および糖尿病性腎症などに起因する重症下肢虚血などの治療法の開発につながることが期待される。
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