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2019 年度 実施状況報告書

がん治療における放射線障害を最小化するための予防法と治療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 19K10034
研究機関自治医科大学

研究代表者

菅原 康志  自治医科大学, 医学部, 客員教授 (60260494)

研究分担者 須永 中  自治医科大学, 医学部, 講師 (00406117)
吉村 浩太郎  自治医科大学, 医学部, 教授 (60210762)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード放射線障害 / 再生医療 / 分割照射
研究実績の概要

本研究は、正常組織における低線量放射線照射による確定的障害の病態を解明し、低侵襲で有効な放射線治療を目指すとともに、組織幹細胞の再生能を最大限に利用した放射線障害の予防法と治療法を開発するものである。具体的には、臨床的な放射線治療を再現した低線量の放射線をマウスに複数回反復照射した後の組織について、正常組織における放射線の確定的影響の病態を解明する。正常マウスのほか、担癌マウスへの放射線照射を通して、組織幹細胞の減少・枯渇の機序を明らかにし、また、がん治療への効果や影響を評価することで、科学的エビデンスに基づく低侵襲な照射治療プロトコールの確立を目標とする。
動物実験においては、マウス背部皮膚へ異なる線量分割(4回~20回分割)及び照射間隔(連日、各週、及び各月)で放射線照射を行い、照射部位の皮膚及び皮下組織の酸素分圧、ヘモグロビン酸素飽和度、皮膚粘弾性の経時的な変化を観察した。その結果、とくに連日低線量で照射した群において、経時的な酸素分圧、ヘモグロビン酸素飽和度、皮膚粘弾性の低下がみられた。照射後6カ月目で皮膚欠損モデルを作製して、創傷治癒への影響を確認したところ、こちらも連日低線量照射群において、著明な創傷治癒の遅延がみられた。放射線照射部位皮膚の組織学的分析を行ったところ、線量依存的な皮膚の肥厚及び皮下脂肪織の萎縮がみられた。
今後は担癌マウスモデルを用いて分割照射条件の変化による腫瘍細胞への影響を精査する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

上記の研究結果について、2019年形成外科学会基礎学術集会にて発表を行った。また、研究結果は論文化は完了しており、現在雑誌Wound Repair and Regeneration誌に投稿中である。

今後の研究の推進方策

引き続き研究計画に沿って研究を遂行する。また研究成果は、IFATS(国際脂肪応用工学会)、国際組織工学会(TERMIS)、米国研 究形成外科学会(PSRC)などを通じて学会発表し、Stem Cells誌、Stem Cells Translational Medicine誌、Tissue Engineering誌、Journal of American Pathology誌、PRS誌をはじめとする一 流国際雑誌で報告していく予定である。

次年度使用額が生じた理由

一部実験が施行できないものがあったために次年度に使用を繰り越した。これらの金額に関しては次年度の実験と、その研究成果を’Irradiation affects function of tissue and stem cells: Influence of radiation dose and frequency in vitro and in vivo’として国際学会にて発表予定であり、それに対する旅費などに使用する予定である。

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公開日: 2021-01-27  

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