研究課題/領域番号 |
19K10046
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
中村 渉 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 教授 (60372257)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | サーカディアンリズム / 体内時計 / 視交叉上核 / 加齢 / 睡眠・覚醒リズム |
研究実績の概要 |
サーカディアンリズムは加齢に伴い、生理機能動態のタイミング分配(同調)機能が低下する。これに関連して我々は生殖機能の加齢変容において、環境サイクルとサーカディアンリズムとの時間秩序を最適化することにより不妊症を回復しうることを明らかにした。そこで本研究では、様々な生理機能のタイミングを制御する体内時計中枢・視交叉上核について、加齢変容を生じる要因を特定し、環境変化との調和を図る生体時間秩序の維持に破綻をきたす生理基盤を明らかにすることを目的としている。 これまでに、加齢に伴って、体内時計中枢である視交叉上核の神経活動リズムが減弱することを見出し、さらに、リズム振幅が減弱する要因としてサーカディアン振動体間のリズム共役が減弱して個々の細胞本来の神経活動期位相が不安定になっていることを明らかにした。初年度は、時計遺伝子KO視交叉上核のレポーター発光イメージングを行い、サーカディアン振動体間のリズム共役減弱を同定した。このKOマウスのin vitro およびin vivoにおけるサーカディアンリズム表現型の差異に着目し、リズム共役を補償する因子を同定した。これにより、体内時計中枢である視交叉上核における加齢に伴うサーカディアンリズム機能減弱を解明し、生体レベルにおける加齢の最適化を行っていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2019年度は、時計遺伝子KOマウスにおけるサーカディアン振動体間のリズム共役減弱を同定した。また時計遺伝子KOマウスコロニーを樹立し、サーカディアンリズム特性の計測データから興味深い知見を得ている。
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今後の研究の推進方策 |
時計遺伝子KOマウスのin vitro およびin vivoにおけるサーカディアンリズム表現型の差異に着目し、生体レベルにおける加齢の最適化を行っていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
人件費として実験補助員の雇用を予定していたが、勤務時間を確保できなかった。次年度は特任研究員を積極的に雇用し、研究推進を図る。
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