【研究方法】 令和3年度はFLAGタグをつけた野生型Rufy4 分子をRAWD細胞に導入し、野生型Rufy4 遺伝子を恒常的に発現する細胞株を得た。また同様にFLAGタグをつけたRufy4のRUNドメイン、FYVEドメインを欠失させた変異体それぞれをRAWD細胞に導入した過剰発現細胞を作製した。これらの細胞を用いて、1x FLAG遺伝子のみを導入したコントロール細胞と、破骨細胞分化や破骨細胞の形態、および骨吸収活性について、野生型および変異型Rufy4遺伝子が与える影響について検討した。また野生型Rufy4分子を過剰発現させた破骨細胞におけるRab7の細胞内局在を蛍光免疫染色法で観察した。さらに野生型Rufy4分子と相互作用する分子の解析を行うために、それぞれの細胞の抽出液から抗FLAGモノクローナル抗体の結合したアフィニティ―ゲルを用いて免疫沈降を行った。 【研究結果】 コントロールRAWD細胞、野生型Rufy4過剰発現RAWD細胞、RUNドメイン欠失変異体過剰発現RAWD細胞からRANKLを添加することで破骨細胞の分化誘導を行ったところ、RUNドメイン欠失変異体過剰発現細胞では巨大な破骨細胞が形成された。骨吸収プレート上でのピット形成を比較すると、コントロール破骨細胞に比べ、巨大な破骨細胞を形成したRUNドメイン欠失変異体を過剰発現している破骨細胞のピットは小さく、野生型Rufy4を過剰発現している破骨細胞のピット形成は有意に増加していた。また蛍光免疫染色によるRab7の局在はコントロール破骨細胞でRab7が細胞の辺縁に局在したのに対し、野生型Rufy4を過剰発現している破骨細胞では核周辺にRab7が局在していた。免疫沈降では電気泳動法で結合する分子が確認できた。
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