骨代謝機構は骨形成を司る骨芽細胞と骨吸収を司る破骨細胞により厳密に制御されており、その破綻は骨関連疾患の誘因となる。本研究の目的は、骨芽細胞分化に必須とされる転写因子Runx2と情報伝達系Wnt Signalingの古典的経路の必須因子β-cateninに着目し、これらの連関による骨代謝制御機構の解明を目指すことである。骨芽細胞特異的遺伝子欠損マウスを用いた解析により、過去の研究とは異なり、β-cateninの欠失が骨芽細胞及び破骨細胞の増加を誘導し、結果として骨量減少を惹起することが明らかとなった。本成果から、β-cateninによる未知のメカニズムが骨代謝制御に関与することが示唆された。
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