動物の歯根膜に刺激を行うと、島皮質と二次体性感覚野の境界領域が強く応答し、上顎臼歯、下顎臼歯を刺激した時の応答領域は大半がオーバーラップしている。本研究では、2光子励起顕微鏡によるカルシウムイメージングを用いて、この領域に存在する個々の神経細胞が、上顎、下顎の刺激に対してどのように応答するのかを検討した。その結果、上顎、下顎のどちらの方に、より優位に応答するかという違いはあったものの、どちらかだけに応答するという神経細胞は少数であった。これらの結果から、島皮質と二次体性感覚野の境界領域の大半の神経細胞は上顎、下顎のどちらからも情報を受け取る機構になっている可能性が示唆された。
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