歯周病は歯肉の炎症と歯槽骨の吸収を特徴とする慢性の炎症性疾患で、30歳以上の約8割が罹患している。しかし、その病因はまだよく解っていない。近年、EBウイルス(EBV)が歯周病の発症に関与しうることが報告されているが、そのメカニズムは不明である。 今回、EBV が炎症性サイトカイン産生と破骨細胞分化の両方を強く誘導することを示した。また、歯周病患者の唾液中の酪酸は,エピジェネティック制御を介してBZLF1の発現を誘導することにより、EBVを再活性化することを明らかにした。歯周病発症機序の解明に繋がる可能性が示唆され、歯周疾患の予防と治療における、EBVの重要性を提示することが出来たと考える。
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