研究実績の概要 |
1) 口腔扁平上皮癌(OSCC)切除標本上のPRMT5と上皮間葉移行(EMT)関連因子の免疫染色による検討 OSCCの先進部で紡錘形ないしびまん性の形態を示す山本・小浜(YK)-4C,4Dの症例では、Slugの発現とPRMT5のみならずPRMTファミリーのひとつであるPRMT1においても核と細胞質での発現が相関していた。また、PRMTの代謝に関連するMethylthioadenosine phosphorylase (MTAP)が、核と細胞質に高発現する症例では、E-cadherinの減弱、PRMT1, PRMT5, Vimentin, Slug, Laminin 5の高発現を示し、OSCCのEMTに関連すること、カプランマイヤー法による解析により、予後不良であることを見出せた。 これらの内容を、論文発表した (Amano Y et.al Pathology. 2022 Apr;54(3):294-301. )。 2) 頭頸部癌由来細胞株を用いたEMT誘導実験 市販のベクターを用いたPRMT5のノックダウン効率が思わしくなかったが、ある共同研究先より供与を受けたベクターを用いたところ、その効率が上昇した。その結果を踏まえて、当研究室で所有している口腔癌細胞株(SAS, HSC4)にコントロールベクターと、供与を受けたベクターをsiRNAを用いて導入し、変動する遺伝子を解析した。いくつかの候補遺伝子を抽出し、さらに解析に供する予定である。
|