Epstein-Barr virus(EBV)感染とBurkittリンパ腫、鼻咽頭癌、胃癌、口腔癌などのリンパ系・上皮系組織の癌との関係が報告されている。しかし、EBVが唾液腺腫瘍に関連があるかは不明である。本研究では、唾液腺腫瘍へのEBVの関与を明らかにするために、合計188例のホルマリン固定パラフィン包埋組織を用いて検討を行った。その結果、悪性腫瘍では、良性腫瘍に比較して、EBV潜伏感染ゲノムの検出率とその発現レベルが高い傾向にあることが示された。これらの結果は、唾液腺腫瘍の病態にEBV潜伏感染遺伝子が関与し、その発現が増加していることを示唆するものである。
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