研究課題
2021年度1年間の研究報告実績を記載する。●歯周病原性細菌Porphyromonas gingivalisと糖鎖異常IgAとの関連P. gingivalisと糖鎖異常IgA(Gd-IgA)の関連を検討した。腎生検施行し同意を得られた75例を対象とした。P. gingivalis陽性群と陰性群の比較では、Gd-IgAは有意にP. gingivalis陽性群で高値であった。【結論】P. gingivalisは糖鎖異常IgAを介してIgA腎症発症に関与している可能性がある。上記は第64回日本腎臓学会総会で報告し、論文投稿中である。●口腔内のcnm遺伝子陽性S. mutansとC. rectusの存在はIgA腎症患者の5年後の腎機能の増悪に影響する口腔内におけるコラーゲン結合タンパク遺伝子(cnm)陽性Streptococcus mutansとCampylobacter rectusの発現がIgA腎症患者の蛋白尿を増悪させていることが知られている。これらの菌がIgA腎症患者の5年後の腎機能に与える影響を前向きに検討した。IgA腎症患者117人より唾液を採取し、PCR法で菌の同定をした。A群:C. rectus(-)、cnm陽性S. mutans(-)、B群:C. rectus(+)、cnm陽性S. mutans(-)、C群:C. rectus(-)、cnm陽性S. mutans(+)、D群:C. rectus(+)、cnm陽性S. mutans(+)の4群に分け追跡した。初年度の血清Crに有意差は認めなかったが、5年後のD群の血清CrはA群と比較し有意に高値であった。【結論】口腔内におけるcnm陽性S. mutansとC. rectusの両方の存在はIgA腎症患者の腎予後に影響する可能性がある。上記は第45回IgA腎症研究会で報告し論文投稿中である。
すべて 2022 2021
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (2件)
Int J Mol Sci.
巻: Jan 10;23(2) ページ: 725
10.3390/ijms23020725.
巻: Dec 1;22(23) ページ: 13022
10.3390/ijms222313022.