研究課題
好中球は細菌を貪食し、サイトカインを分泌して生体防御の第一線で機能している。我々は独自の研究から、破骨細胞の分化過程で増大する新規遺伝子Rab44を発見し、さらにRab44が好中球にも発現していることを見出した。一般的にRabタンパク質は細胞内の小胞輸送を制御していると考えられているが、Rab44は他のRabタンパク質とは大きく異なり、いくつかのドメイン構造を有する大きな分子である。本研究は、好中球におけるRab44の機能を解明することを目的としている。in vitro の解析として好中球におけるRab44の遺伝子発現・抑制によるサイトカイン等の分泌や細菌の貪食機能の変化を解析する。in vivo の解析としてRab44のノックアウトマウスを作製し、歯周病発症モデル実験を行う。本研究によって好中球や破骨細胞での細胞内小胞輸送の新たな一面を解明し、歯周病での役割解析に繋げる。本年度は以下のような実験を行った。1)Rab44 遺伝子欠損マウスの作製:Rab44遺伝子欠損マウス作製は既に理化学研究所生体ゲノム工学研究チームとの共同研究により行った。現在、正常に発育しており、表現型の解析を行った。2)Rab44制御による分泌のバイオイメージング:破骨細胞と好中球の共通メカニズムはリソソーム酵素を外に分泌することである。Rab44ノックダウンや過剰発現系を用いて、タイムラプス蛍光顕微鏡あるいは全反射蛍光顕微鏡を用いて分泌機構を解析した。3)Rab44結合タンパク質の同定:Rabタンパクの機能を知るためには、どのような分子をエフェクターとしてリクルートするかを知る必要がある。そこで免疫沈降法を用いて解析した。今後は以上の研究結果に追加実験を加えて、国際雑誌に報告する予定である。
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すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 4件)
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