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2020 年度 実施状況報告書

亜鉛置換型ハイドロタルサイトを応用した抗菌性・毒素吸着性歯科材料開発への挑戦

研究課題

研究課題/領域番号 19K10120
研究機関朝日大学

研究代表者

尾池 和樹  朝日大学, 歯学部, 非常勤講師 (10784621)

研究分担者 堀田 正人  朝日大学, その他部局等, 教授 (10157042)
横川 善之  大阪市立大学, 大学院工学研究科, 教授 (20358310)
川木 晴美  朝日大学, 歯学部, 准教授 (70513670)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード亜鉛置換型ハイドロタルサイト / 層状複水酸化物 / イオン交換 / 硫化物 / 揮発性硫黄化合物 / 歯髄由来幹細胞 / 歯肉由来細胞 / 生体親和性
研究実績の概要

昨年度に引き続き、Zn置換型HDT 含有EVAシートの作製条件検討を行ったが、添加量は最大39%にとどまった。次いで、Zn置換型HDT粉末およびZn置換型HDT 含有EVAシートからの蒸留水および細胞培養用培地へのZn, Alの溶出量の検討と、溶出成分を含む培地を用いた培養実験を行った。昨年度はヒト歯髄由来幹細胞およびヒト歯肉上皮前駆細胞の増殖のみの検討にとどまったため、本年度は初期接着および細胞の伸展、7日以上培養したヒト歯髄由来幹細胞のアルカリホスファターゼ(ALP)活性を評価したところ、シートからの溶出する亜鉛を含む培地で培養した群で、良好な細胞の伸展とALP活性上昇がみられた。
また、う蝕原因菌や歯周病原因菌の生育に与える影響と低分子毒素、硫化物吸着評価として、 ミュータンス菌(Mutans streptococci等)やPorphyromonas gingivalis,Fusobacterium nucleatum等の培養系に、Zn置換型HDT 含有EVAシート片を投入し、菌体の付着、増殖の検討と、シート片への硫黄の吸着を評価するための元素分析を現在行っている。なお、シート片への硫黄の吸着量については当初、嫌気性菌培養装置内に小型の簡易型ガスクロマトグラフィー装置を設置し定量分析を行う予定であったが、蛍光X線(XRF)および電子線マイクロアナライザー(EPMA)による定性分析に変更して現在進行中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の計画通り、昨年度に行った細胞培養系での評価の発展と、口腔内細菌の動態検討を行うことができた。これらの評価により、次年度に動物モデルでの評価を加え、研究計画を進めることができるため。

今後の研究の推進方策

引き続き、Zn置換型HDT 含有EVAシートからの溶出成分を種々の濃度で含む培地を用いてヒト細胞および口腔内細菌の培養系での評価を行う。細菌培養系では金銀パラジウム合金との共存で黒化現象の低減も測定する。また、現状でZn置換型HDT 含有EVAシートのHDT含有量は39%にとどまったため、このシート片をヌードマウス皮下に埋植し、生体反応の検討を行う。
さらに、Zn置換型HDT粉末およびZn置換型HDT含有EVAシートの硫化物吸着性を評価するため、硫化水素水(H2S水)の他、メタンチオール(メチルメルカプタン)標準液の希釈系列を用いて、メタンチオール量の変化とシートへの硫黄の吸着量の評価を行う。また比較対照として試薬酸化亜鉛を用い、亜鉛の溶出性や硫黄吸着能を詳細に評価する。

次年度使用額が生じた理由

本年度購入予定であった簡易型ガスクロマトグラフィー装置がCOVID-19感染症拡大の影響により納品時期未定とのことで購入できなかったことから、当初予定の定量分析から蛍光X線(XRF)および電子線マイクロアナライザー(EPMA)による定性分析に変更したため。また、変更後の分析に必要な消耗品については他の研究者より余剰品の提供を受けることができたため、次年度にさらに解析を進めるためのXRFおよびEPMA解析のための消耗品に充てる予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2020 その他

すべて 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [学会発表] 亜鉛置換型ハイドロタルサイト含有EVAシートの試作と評価2020

    • 著者名/発表者名
      尾池和樹, 川木晴美, 上野恭平, 新谷耕平, 作 誠太郎, 中川豪晴, 二階堂 徹, 横川善之, 堀田正人
    • 学会等名
      第152回日本歯科保存学会学術大会
  • [備考] 朝日大学歯学部歯科保存学分野歯冠修復学ホームページ

    • URL

      http://scw.asahi-u.ac.jp/~shikan/index.html

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公開日: 2021-12-27  

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