研究課題/領域番号 |
19K10130
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
松田 真司 広島大学, 病院(歯), 病院助教 (30611321)
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研究分担者 |
加治屋 幹人 広島大学, 医系科学研究科(歯), 助教 (00633041)
藤田 剛 広島大学, 医系科学研究科(歯), 准教授 (80379883) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 薬物性歯肉増殖症 / Nr4a1 |
研究実績の概要 |
本研究は薬物性歯肉増殖症の新規治療薬開発を目指した研究である。これまでに当研究室で、シクロスポリンAによって誘導される歯肉増殖症に核内受容体Nr4a1が関与していることを明らかにしてきた。Nr4a1はTGF-βシグナルを抑制する機能を持つが、シクロスポリンA存在下では、その機能が破綻し、結果としてコラーゲン産生につながっていることを明らかにした。一方で、Ca拮抗薬やフェニトインによって発症する歯肉増殖症のメカニズムは不明であった。シクロスポリン同様にマウスモデルの確立を目指したが、薬剤の毒性が強く発症に至らなかった。そこで、in vitro系でモデル確立を試みた。その結果、ニフェジピン、フェニトインともに、TGF-βで誘導されるNr4a1の発現を抑制した。さらにその発現上昇に関与している転写因子NFATc3が関与していることも明らかとなった。このことは、すべての薬剤で同様のメカニズムを持つことを証明できた。今後、この系を使用し、治癒モデルの作製を検討している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2019年度で、ニフェジピン、フェニトインもシクロスポリン同様のメカニズムを持つことを明らかにした。即ち、治療の標的とする分子が一つであるため、治癒モデルの作製、さらには創薬スクリーニングが容易となる。以上のことから、おおむね順調に進んでいると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
薬物性歯肉増殖症は、それぞれの薬がNr4a1の抑制がコラーゲンの産生を亢進していることを明らかにした。今後はin vivo,in vitroでNr4a1の上昇が歯肉増殖症を治癒できるか検討する。そのための創薬スクリーニングを行う予定である。
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