本研究ではRNA-seq解析を用いて,hPDLMSC(ヒト歯根膜間葉系幹細胞)スフェロイドに特異的に発現する遺伝子を見つけ、機能解析を行うことを目的とした。hPDLMSCのスフェロイド培養群と、単層培養群のトランスクリプトーム解析を行い比較した。我々はスフェロイド培養群に強く発現していた遺伝子として、転写因子であるNR4A2 (Nuclear receptor 4A2)を見出した。NR4A2のノックダウンは、骨形成関連遺伝子の発現とALP活性、並びに石灰化結節形成を有意に上昇させた。以上の結果より、NR4A2はhPDLMSCスフェロイドにおいて、骨分化を抑制的に制御していることが示唆された。
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