研究課題/領域番号 |
19K10137
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研究機関 | 愛知学院大学 |
研究代表者 |
後藤 滋巳 愛知学院大学, 歯学部, 教授 (60142577)
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研究分担者 |
宮澤 健 愛知学院大学, 歯学部, 教授 (60301636)
田渕 雅子 愛知学院大学, 歯学部, 准教授 (30418925)
佐藤 琢麻 愛知学院大学, 歯学部, 講師 (80609868)
浜村 和紀 愛知学院大学, 歯学部, 准教授 (00422767)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 小胞体ストレス / elF2α脱リン酸化阻害剤 / 歯周病 / 炎症性サイトカイン |
研究実績の概要 |
成人の約80%は歯周病に罹患しており、また近年、成人に対する矯正治療は増加していることから、歯槽骨吸収の予防・進行防止は緊急課題となっている。私たちは、これまでに、破骨細胞特異的抑制剤(リベロマイシンA)や交感神経β-アドレナリン受容体遮断薬が破骨細胞を抑制し、歯槽骨吸収および歯の移動を抑制することを解明してきた。しかしこれらは、歯周病の発生メカニズムを阻害するものではない。そのため、新たな歯周病治療法の開発を目指し、歯周病罹患組織に生じる炎症と深く関係する細胞の小胞体ストレスに着目した。 本研究では、小胞体ストレスを軽減するelF2α(真核生物の翻訳開始因子)脱リン酸化阻害剤の歯周病に対する効果を検討し、歯周病の発生メカニズムを阻害する新規な歯周病予防・治療薬の開発を目指す。 これまでの実験結果としては、歯周病モデルマウスにおいて、elF2α脱リン酸化阻害剤の一つであるsalubrinal投与により、歯槽骨量の減少が抑制されることを確認した。また、歯周病モデルラットにおいて、もう一つのelF2α脱リン酸化阻害剤であるguanabenz投与により、歯槽骨量の減少が抑制されることを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定していた実験を行い、以下の結果を得ることができた。 歯周病モデルマウスにおいて、elF2α脱リン酸化阻害剤の一つであるsalubrinal投与により、歯槽骨量の減少が抑制されることを確認した。また、歯周病モデルラットにおいて、もう一つのelF2α脱リン酸化阻害剤であるguanabenz投与により、歯槽骨量の減少が抑制されることを確認した。
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今後の研究の推進方策 |
今後、salubrinalを用いた歯周病マウスの実験、guanabenzを用いた歯周病ラットの実験ともに、詳細な歯槽骨量解析および組織学的解析を進める予定である。 また、研究データがまとまり次第、論文作成を行う予定である。
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