研究課題/領域番号 |
19K10145
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
原田 浩之 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (40343149)
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研究分担者 |
青木 章 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (30302889)
淺原 弘嗣 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (70294460)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 歯根膜 / mohawk homeobox(Mkx) / シングルセルRNAシークエンス |
研究実績の概要 |
歯根膜は、歯と歯槽骨をつなぐ線維性組織であり、歯周機能に重要な役割を担っている。歯根膜には転写因子であるmohawk homeobox(Mkx)が発現しており、歯根膜の発生と恒常性維持に重要な役割を担っているが、Mkxの機能については、未だ解明されていない。本研究では、Mkxの欠損が歯根膜細胞の不均一性に及ぼす影響と、野生型(WT)ラット(Mkx+/+)とMkxノックアウトラット(Mkx-/-)の歯根膜組織における遺伝子発現の相違を、シングルセルRNAシークエンス解析により明らかにすることを目的とした。その結果、間葉系細胞とマクロファージからなる12の細胞クラスターが同定された。PDLの発生におけるもう一つの重要な転写因子であるscleraxis (Scx)とMkxの発現は相互排他的であり、間葉系幹細胞クラスターには、プロテオグリカンと弾性線維を有意に発現するMkx発現クラスターと、1型および3型コラーゲンを優位に発現するScx発現クラスターが含まれていた。Mkx-/-において骨化関連遺伝子の発現が間葉系細胞および骨芽細胞クラスターで上昇した。Mkx-/- のマクロファージクラスターでは、細胞数の増加と炎症性サイトカインなどの炎症関連因子の発現上昇がみられた。これらの結果から、Mkxは骨化と炎症に関わる遺伝子の発現を制御することにより、歯根膜の恒常性維持に重要な役割を担っていることが示唆された。
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