研究課題/領域番号 |
19K10161
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研究機関 | 神奈川歯科大学 |
研究代表者 |
二瓶 智太郎 神奈川歯科大学, 大学院歯学研究科, 教授 (50237781)
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研究分担者 |
大橋 桂 神奈川歯科大学, 大学院歯学研究科, 准教授 (30350531)
青木 香 (三宅) 神奈川歯科大学, 大学院歯学研究科, 特任講師 (70709229)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | レーザー / セラミックス / 修復法 / 溶着性 / 耐酸性 |
研究実績の概要 |
本研究のテーマであるレーザー照射によりガラスセラミックスを修復する方法を開発にあたり、2019年度は以下の研究内容とした。その結果、 ①レーザーの照射条件の設定 半導体レーザーおよび炭酸ガスレーザーを用いて、レーザービームの大きさ,照射エネルギー,照射距離を変え,歯質表面の侵襲ならびに各種低温溶融型セラミックスの融解を走査型電子顕微鏡により観察し,歯質表面のエナメル質および象牙質に侵襲なく、低温溶融型セラミックスの融解が生じるのは、レーザーの照射出力は1.0w、照射距離は20mm、レーザービームはデフォーカスであることを走査型電子顕微鏡観察により最適条件として見出した。 ②歯質表面の処理法 歯質表面を酸処理,モールダント処理あるいはブラスト処理により,極性を高めた後に低温溶融型セラミックスを塗布し,①で設定された条件でレーザー照射を行った結果、試料の表面および断面観察を走査型電子顕微鏡観察により,歯質表面と溶融したセラミックスは融着状態を示した.これは、エナメル質表面を前処理としてリン酸によるエッチングを行うことにより他処理と比較して明確となった。象牙質に対してはモールダント処理が有効であると示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究目的の達成度については、歯質の侵襲(損傷)なくレーザーの照射の条件を設定すること、そして低温溶融型セラミックスも融解するレーザー照射条件を見出せたこと、しかも歯面処理の違いによる融解した低温溶融型セラミックスの融着状態も異なっていたことから、目的とする新たなガラスセラミックス修復法として、おおむね順調に進展していると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
2019年度の結果より、歯質と低温溶融型セラミックスとの界面部分析、セラミックス処理された歯質の耐酸性試験、歯質と低温溶融型セラミックスとの融着強度の測定により、レーザー照射によるガラスセラミックス法を確立を目指す。
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