口唇口蓋裂患者の一貫治療は、施設によって若干の相違はあるものの、概ね手術と言語訓練を中心とした治療ガイドラインが確立している。特に口蓋裂単独症例に対しては、口蓋形成術施行する医療機関が多く、概ね良好な効果が得られている。 しかしその一方で、術後の瘢痕収縮などから惹起される上顎劣成長などの長期的な種々の問題が多いのが現状である。手術療法の限界を超えるべく、次世代の口蓋裂治療方法の開発は喫緊の課題である。 近年、オルガノイドを始めとするin vitro3次元培養技術が進歩し、より自然な生理条件に近い組織再生を可能とする三次元モデル構築への道が開いてきている。 本研究では、羊膜由来上皮幹細胞をソースとして歯科印象採得にて作成したモールドを元にin vitro にて上皮-間葉相互作用を利用した三次元的オルガノイドを作製し、充填・閉創することにより、より生理的組織に近い口蓋形成を目指すものである。
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