研究課題/領域番号 |
19K10178
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研究機関 | 大阪歯科大学 |
研究代表者 |
馬場 俊輔 大阪歯科大学, 歯学部, 教授 (40275227)
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研究分担者 |
岡村 友玄 大阪歯科大学, 歯学部, 講師 (10567473)
橋本 典也 大阪歯科大学, 歯学部, 教授 (20228430)
本津 茂樹 近畿大学, 生物理工学部, 研究員 (40157102)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | Er:YAG レーザー |
研究実績の概要 |
未だ治療法が確立されていないインプラント周囲炎の治療は、Er:YAGレーザーを用いたチタン表面および骨欠損部の両方を同時にデブライドメントすることが有効であることが報告されている。しかし、Er:YAG レーザーでのデブライドメントが積極的に骨芽細胞の付着や骨再生を誘導することは考えにくい。そこで、Er:YAGレーザー光で歯質の主成分であるハイドロキシアパタイト(HAp)を、口腔内でチタンインプラント上に直接堆積できる口腔Er:YAGレーザーデポジション(Er:YAGPLD)を発案した。 ビーグル犬用インプラントに、ターゲットにα-リン酸三カルシウム(TCP)を用いて、Er: YAG-PLD法にてα-TCP膜を形成した。成膜後37℃の恒温槽中でアパタイト表面を人口唾液に96時間浸漬静置し、α-TCPをHAに転化した。インプラント表面の観察は走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて行った。ビーグル犬顎骨埋入試験では、若年のビーグル犬を用いて下顎の臼歯を抜歯し、治癒後、HA化したインプラント体を埋入した。その後安楽死させ、下顎骨を剖出させた後、術後4,8週後にデンタル撮影、マイクロCT、病理組織標本を用いて生体適合性をX線学的および病理組織学的に観察した。 SEM観察の結果、成膜前後で表面のホモロジーが異なり、成膜後は針状結晶が見られハイドロキシアパタイトの観察が確認できた。ビーグル犬顎骨埋入試験の結果、マイクロCTによりコントロール群に比較して、実験群では新生骨が形成している傾向が認められた。Er: YAG-PLD法によるHAコーティングインプラントは優れた生体適合性を示すことが明らかとなった。
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