研究課題/領域番号 |
19K10189
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研究機関 | 東京医科大学 |
研究代表者 |
近津 大地 東京医科大学, 医学部, 主任教授 (30343122)
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研究分担者 |
古賀 陽子 東京医科大学, 医学部, 准教授 (10392408)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | ヒト歯髄幹細胞 / 骨芽細胞 / ヘッジホック関連遺伝子 |
研究実績の概要 |
【目的】本研究は、ヒト歯髄幹細胞を用いた骨再生医療の実現化に向けて骨組織や歯髄、象牙質発生の基礎的知見を解析し、その組織形成過程の分子メカニズムを分化・組織誘導刺激に応用することで新規骨再生法開発の礎を築くことを目的とする。そのために研究代表者ららは、組織発生ならびに骨再生療法で重要な鍵を握る分子と期待されているヘッジホッグと、その転写メディエーターであるGliファミリーに着目した。ヒト歯髄幹細胞の骨分化におけるGliファミリーの転写メカニズムを、バイオインフォマティクスを駆使した網羅的な解析の後にin vitro、in vivoの両面から検証を行い、その遺伝子発現制御システムとエピゲノムを解明する。 【方法・結果】ヒト歯髄幹細胞の骨分化誘導におけるGliファミリーの標的部位と相互作用する因子の検索ならびに候補分子の機能解析;ヒト歯髄幹細胞におけるヘッジホッグシグナルによる遺伝子発現パターンの解析を行うためにまずヒト歯髄幹細胞(16-29歳の抜去歯より採取)におけるヘッジホッグシグナルによる遺伝子発現パターンを網羅的に解析する。ヒト歯髄幹細胞、ヒト骨髄幹細胞をSAGおよびヘッジホッグシグナルアンタゴニストであるCyclopamine添加培地で培養を行った後RNAサンプルを回収した。今後はRNA-Seqによる遺伝子発現パターンを解析する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ヒト歯髄幹細胞、ヒト骨髄幹細胞に添加するSAGおよびCyclopamine(ヘッジホッグシグナルアンタゴニスト)の適正濃度の検討に時間を要し、当初の予定より遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
回収したRNAサンプルを用いて、RNA-Seqによる遺伝子発現パターンを解析する。その解析結果を既知のデータベースより組織発生・分化、多能性維持、細胞増殖等に関与している候補遺伝子を絞りこむ。さらに候補遺伝子の発現をreal time PCRで追認する。さらに、ヒト歯髄幹細胞におけるGliファミリーの転写メカニズムの解明および候補分子の過剰発現・発現抑制による細胞内における機能解析も行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
予定を上回る培養関係の消耗品を用したため研究費が不足した。次年度使用と令和2年度分を合わせてリアルタイムPCRの試薬に用いる。
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