研究課題/領域番号 |
19K10216
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研究機関 | 東京歯科大学 |
研究代表者 |
竜 正大 東京歯科大学, 歯学部, 准教授 (20549985)
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研究分担者 |
石原 和幸 東京歯科大学, 歯学部, 教授 (00212910)
上田 貴之 東京歯科大学, 歯学部, 教授 (20366173)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | マイクロバイオーム / 義歯 / 床用材料 / 高齢者 / 唾液 |
研究実績の概要 |
本研究は、高齢者の義歯表面に付着した口腔マイクロバイオームの組成を明らかにし、義歯の清掃状態の違いによる影響を検討することを目的として実施したものである。 2021年度は2020年度に続いて、新型コロナウイルス感染症の拡大のために研究協力施設からの立ち入り制限等がかかり、予定していた研究協力施設における要介護高齢者からの試料採取が行えない状況が続いた。健常高齢者からの試料採取に関しても、新型コロナウイルス感染症の状況によって行えない時期もあったため、当初の研究計画を完了することが現実的に難しい状況となった。 そのため、研究計画を一部変更して健常者を対象者として追加し、義歯床用レジン試験片に付着した口腔マイクロバイオームの解析を行って、本研究目的である義歯に付着した口腔微生物叢についての検討を行うこととした。 義歯床用レジン試験片に付着した口腔マイクロバイオーム解析の結果、微生物叢中の割合としてはStreptococcus属やNeisseria属の菌が多数を占めていた。これらは唾液中の微生物叢とは異なり、デンタルプラークの形成過程の初期に多くみられる菌であるため、試料片上にはデンタルプラークと似た組成のプラークが形成されていたと考えられる。 本研究結果より、義歯床用レジン表面がペリクルにより被覆され、デンタルプラークと類似したマイクロバイオームが形成されることが示唆された。このことは、義歯を入れるだけでは微生物叢に大きな悪影響を与えないことの一つの根拠になるとも考えられる。
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