研究課題/領域番号 |
19K10227
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
柳沢 志津子 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 講師 (10350927)
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研究分担者 |
市川 哲雄 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 教授 (90193432)
後藤 崇晴 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 助教 (00581381)
吉岡 昌美 徳島文理大学, 保健福祉学部, 教授 (90243708)
白山 靖彦 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 教授 (40434542)
竹内 祐子 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 助教 (80457316)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 口腔機能管理 / 介護保険施設 / 信頼 / 歯科と福祉の連携 |
研究実績の概要 |
本年度は, 各専門職の連携に対する自己覚知と他職種理解について現状を把握するため,先行研究の収集と既存データの分析を行った。徳島県の介護保険施設に勤務する介護職員217名を調査対象として,口腔機能管理における他職種に対する信頼(能力評価,公正性認知,価値の類似性,権限委任)について一元配置分散分析で比較した。口腔機能管理における信頼のいずれの項目も職種間に有意な差が認められた。Bonferroni法による多重比較を行ったところ,専門能力保持と価値の類似性は,歯科医師と看護師,歯科衛生士と看護師,歯科医師と歯科衛生士との間に有意な差が認められた。公正的判断と権限委任では,歯科医師と看護師,歯科衛生士と看護師との間に有意な差が認められ,歯科医師と歯科衛生士との間には有意な差は認められなかった。施設介護職員は,口腔機能管理において看護師よりも歯科専門職に対して信頼が厚く,歯科医師には専門的な見地で判断を下すこと,歯科衛生士には認識を共有することなど,歯科医師と歯科衛生士とでは性質の異なる信頼感を抱いている可能性が示唆された。上記の結果を考慮に入れ質問票の内容を検討し,来年度早々に郵送調査を実施できるよう,研究協力機関への協力依頼などの準備を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初は,初年度より郵送調査及び訪問調査を実施する予定であったが,調査項目の検討に時間を要し年度中の実査に至らず,進捗がやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
介護従事及び歯科医師,歯科衛生士を対象とした郵送調査を実施する。社会心理領域で用いられる評価尺度を参考に,介護保険施設の口腔機能管理における「自分自身の限界」,「他職種の専門性や業務の理解」「協力や援助を求める行動」「職種間の関係」に関するアンケート調査を実施する。加えて,調査協力を得た介護保険施設8施設(徳島県・岐阜県)に勤務する介護従事者,看護師,栄養士を対象に,介護保険施設の口腔機能管理における職種間の関係形成過程に関する聞き取り調査を実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
初年度に実施予定の郵送調査,訪問調査の準備に時間を要し実査に至らなかったため,次年度使用額が生じた。繰り越した研究費は,当初の予定通り,質問票発送のための通信費や印刷費,調査協力施設までの交通費など,郵送調査及び訪問調査の実施に係る費用に充てる。
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