研究課題/領域番号 |
19K10236
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研究機関 | 公益財団法人神経研究所 |
研究代表者 |
對木 悟 公益財団法人神経研究所, 研究部, 研究員 (90376765)
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研究分担者 |
福田 竜弥 公益財団法人神経研究所, 研究部, 研究員 (90624833)
中山 秀章 公益財団法人神経研究所, 研究部, 研究員 (30444144)
竹内 暢 公益財団法人神経研究所, 研究部, 研究員 (80360296)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 閉塞性睡眠時無呼吸 / AI / 口腔内装置 / 顎顔面形態 |
研究実績の概要 |
本研究は、閉塞性睡眠時無呼吸(Obstructive Sleep Apnea; OSA)に対し、適切な介入選択を支援するために計画された実証的研究である。顎顔面領域に形態的異常がみられる場合、OSAは重症化しやすい。一方、OSAに対する保存的治療法である口腔内装置は、このような形態的異常が顕著でない患者ほど奏功しやすい。つまり顎顔面領域の解剖学的特徴に着目し、OSAの早期発見と口腔内装置治療適応患者の選択が可能となるかもしれない。そこで我々は、人工知能(AI)と画像(側面頭部X線規格写真)を用いて試験的な機械学習を行ったところ、顎顔面領域の解剖学的特徴を検出できる可能性を見出した。本研究では、その知見を ディープラーニングを用いて再検証した上で、口腔内装置治療効果を予測するモデルを設計し、その有効性を検証する。これまでに、終夜ポリグラフ検査結果に基づき正解ラベルを付与した側面頭部X線規格写真をサンプルとしたディープラーニングを行い、重症OSA患者を高精度で検出できることを見出し、その知見を今年度公表することができた(Sleep Breath 2021 in press)。一方、現段階でのLimitationとして、軽症例や中等症例との識別の必要性や、人種差・性差が結果に異なる影響を及ぼす可能性などが指摘された。また、本手法の実用化(実臨床への応用)について、多方面の研究者との議論も重ね、次年度のニューラルネットワークを用いた口腔内装置治療効果予測モデルの作成に向け、患者データベースの構築をすすめた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
AIと画像を用いOSAの検出が一部可能であることを証明し、当初の計画通り本研究の中間報告としてその知見を公表することができた。
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今後の研究の推進方策 |
ニューラルネットワークを用いた口腔内装置治療効果予測モデルの作成に向け、患者データベースの構築をすすめる。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19の世界的感染蔓延により、当初予定していた国内外での成果公表や意見交換など必要な学術活動が大きく制限された。また、研究協力企業の社内方針転換により共同研究が正式に打ち切りとなり、当初予定していたAIモデルの改良が中断となった。
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