研究課題/領域番号 |
19K10241
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
猪越 正直 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教 (90753715)
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研究分担者 |
野崎 浩佑 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教 (00507767)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 積層造形 / ジルコニア / X線回折 / 結晶構造解析 / インプラント |
研究実績の概要 |
2019年度 実験1:積層造形ジルコニアの物性評価 実験1では、まず予備的検討の結果を踏まえた積層造形ジルコニアの物性を明らかにすることを目的とし、以下の実験を行った。3次元CADソフトウェアにて焼成後に12mm x 12 mm x 1.2 mmとなるような板状試料を設計した。次いで、DLP型の光造形装置(CeraFab7500,Lithoz)を用いて試料を造形し、デバインディング・焼成を経て、ジルコニア試料を完成させた。また、コントロールとして3mol%イットリア安定化型ジルコニア(3Y-TZP)粉末を一軸加圧成形した後に焼成し、試料を作製した。これらの試料を用い、アルキメデス法による密度の測定、高解像度走査型電子顕微鏡による微小構造解析とX線回折(XRD)による結晶構造解析を実施した(各n=3)。結晶構造解析にはRietveld法を用いた。 密度測定の結果、積層造形ジルコニアの密度は6.045 g/cm3であった。走査型電子顕微鏡による解析の結果、積層造形したジルコニアは従来法(一軸加圧成形)によって作製した3Y-TZPジルコニア試料とほぼ同等の微細構造を持つことが明らかとなった。また、Rietveld法を用いたXRDによる結晶構造解析の結果、正方晶、立方晶の割合についても、従来法により製作したジルコニア試料と同等であることが明らかとなった。 本研究結果の一部について、国内関連学会において成果発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定では2019年度のうちに機械的強度の測定まで終える予定であったが、測定治具の不具合から測定が出来なかった。しかし、明らかになった部分については学会発表も行っており、全体としては概ね順調に進んでいると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
今後は積層造形ジルコニアの二軸曲げ試験による機械的強度の測定、疲労強度の測定を進める予定である。また、ジルコニアインプラントへの応用として必要であると考えられる骨形成能といった生体適合性についても評価を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
試料製作費用が当初の予定よりも安価に済んだため、余剰金が生じた。これについては次年度に治具の修理費用として計上する予定である。
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