研究課題/領域番号 |
19K10249
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
築山 能大 九州大学, 歯学研究院, 教授 (10236870)
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研究分担者 |
木原 優文 九州大学, 大学病院, 助教 (40419536)
古谷野 潔 九州大学, 歯学研究院, 教授 (50195872)
荻野 洋一郎 九州大学, 歯学研究院, 准教授 (50380431)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 咀嚼 / 補綴歯科治療 / 顎顔面補綴 / 咀嚼側 / 咀嚼機能 |
研究実績の概要 |
本研究は、歯および顎骨の欠損患者を対象に、顎顔面補綴治療の前後で偏咀嚼の程度(咀嚼中の咀嚼部位の偏り具合)および咀嚼能力(咀嚼能率、咬合接触、咬合力など)を主観的・客観的に評価し、顎顔面補綴治療による咀嚼機能の改善効果を包括的に評価することを目的とする。2019年度は、上記目標を達成するための基盤として、まず、被験者の選択およびリクルートするための方法の確立のため、事前の問診、臨床診察(研究参加の可否のためのスクリーニング、主訴、現病歴、既往歴等の聴取、口腔内診察、支障度の把握、顎機能障害の検査など)について各項目を検討し、採取すべき項目を確定した。また、研究内容の説明、インフォームドコンセント、研究参加同意書への署名についても、一定の方法で行うために説明文書の規格化を行った。次に、質の高いデータ収集を行うための手法を検討した。具体的には、顎顔面補綴治療前後の口腔内および顎機能の状態(歯の欠損、咬合支持、支台歯、欠損部顎堤の状態、顎機能障害の評価など)、咬合・咀嚼機能の客観的検査(偏咀嚼の程度、咀嚼リズム、咀嚼能率、咬合力)、咬合・咀嚼機能の主観的評価(咬合状態、咀嚼機能、支障度、満足度などに関する自己評価、口腔関連QoLなど)について、測定装置の整備および測定手順の確立、質問紙等を用いた主観的項目の収集方法など、本研究で用いる研究手法を検討し、規格化を行った。その際、過去の報告や国内外の研究者との意見交換で得られた情報を参考にした。これらの手順を踏まえた上で、健常有歯顎者8名、片側および両側臼歯部欠損患者11名、顎欠損患者6名を選択し、定められた手順でデータ収集を行い、データの予備的な解析を行った。現時点で、得られたデータは、科学的に問題のない質を有すると考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
目標としていた被験者数には達していないものの、客観的指標に用いる測定装置の整備および測定手順の確立、質問紙等を用いた主観的項目の収集方法など、本研究で行う研究手法を確立できた。一方、2020年3月より、新型コロナウィルス感染対策のため被験者のリクルートに支障をきたすようになってきた。。
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今後の研究の推進方策 |
データの欠落による信頼度の低下を防止するため、測定項目に不備が認められた際の再測定や質問紙の郵送、返信による回収などを行い、可能な限りデータの欠落が生じないようにする。また、バイアスを最小限にし、データの回収率を低下させないために、偏咀嚼、咀嚼能力、咬合力、咬合接触などの客観的検査項目については、手順をマニュアル化した上で検査者のトレーニングおよびキャリブレーションを実施し、データの記録を確実に行うための対策を講じる。 研究参加者には口腔がん術後の患者が多いためリクルートにはやや難渋しているが、積極的な研究参加への説明を懇切丁寧に行い、参加者(被験者)の増加を図る。ただし、新型コロナ感染対策の長期化のため、今後の被験者のリクルートには困難を伴うことが予想される。
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次年度使用額が生じた理由 |
2019年度終盤に、新型コロナウィルス感染対策による外来診療の制限に伴い、被験者のリクルートに支障を生じるようになり、必要な機材等の購入をやや控えることとなったため。 [使用計画] 新型コロナウィルス感染対策の長期化が予想されるため、被験者のリクルートには困難をきたすと考えられるが、研究分野間で綿密な調整を行った上で、被験者のリクルート、データ収集、データ解析をスムーズに実施する方策を講じる予定である。
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