認知症の発症の原因やメカニズムは未だ明らかとされていない.認知症予防には,習慣的な運動の促進,抗酸化物質や抗炎症成分を多く含む食物の摂取,社会参加や知的活動への参加が挙げられている.歯科領域でも,歯の喪失がアルツハイマーを発症するリスクを高めるなど、口腔機能低下と認知機能の低下との関わりについて報告がされてきた.本研究では,口腔機能が低下した高齢者に対して、口腔機能を回復させると脳活動が向上し、注意機能,聴覚性記憶,視覚性記憶に関わる脳機能に改善した. このことから,口腔機能の維持・回復をすることが,認知機能低下の予防に関連する可能性を示すことができ,社会的意義が大きいと考える.
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