研究課題
本年度では、閉塞性睡眠時無呼吸症(OSA)における血圧サージ(スリープサージ)を評価するにあたり、その方法論の確立のため、閉塞性睡眠時無呼吸症患者1例に対して、口腔内装置(OA)治療による前後比較研究を行った。OA治療により、無呼吸低呼吸指数は49.9→12.1/hと改善。PTT(Pulse Transit Time)血圧に関しては、治療前の収縮期/拡張期血圧の平均値が、覚醒時147/93mmHg、睡眠時150/94 mmHgとRiser Typeであったのが、OA治療後には覚醒時137/88mmHg、睡眠時132/87mmHgとNon Dipper Typeへ改善し、夜間の最大収縮期血圧は214→159mmHgと著明な降圧効果が認められた。本症例から、PTT血圧という新技術により、OSAに伴うスリープサージという現象を捉えることができ、またOA治療によるスリープサージの改善効果が確認できた。現在、クロスオーバー試験を開始しており、3症例がエントリーし、1症例が試験を終了している。試験が終了した1症例の結果は、治療前、プラセボ治療後、OA治療後の3条件で評価しており、無呼吸低呼吸指数は27.9/h→25.3/h→4.9/h、最低酸素飽和度は88%→89%→89%、就寝前の平均血圧は150/74mmHg→153/87mmHg→109/65mmHgであった。プラセボ治療に比べて、OA治療後のOSAの程度、血圧の状況が著明に改善した。現時点で、試験中の有害事象は確認されておらず、方法論の見直しは必要なく、経過は順調と考えている。今後は、引き続きリクルートを続け、被験者数を増やしていく方針である。
2: おおむね順調に進展している
本年度にて、方法論が確立し、すでに3症例がエントリーしている。
今後は、被験者のリクルートを進め、2020年度内に30症例の試験を完了させる予定である。
新型コロナウィルスの影響で、予定されていた出張がなくなったため。
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巻: in press ページ: in press
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