研究課題/領域番号 |
19K10255
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研究機関 | 大阪歯科大学 |
研究代表者 |
奥野 健太郎 大阪歯科大学, 歯学部, 講師 (50420451)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 歯科 / 睡眠時無呼吸症 / 口腔内装置 / 高血圧 / 睡眠障害 |
研究実績の概要 |
閉塞性睡眠時無呼吸症(OSA)における血圧サージ(スリープサージ)を評価するにあたり、クロスオーバーRCT研究を行った。 睡眠評価装置(ソムノタッチRESP, FUKUDA DENSHI)を用いて、睡眠時無呼吸の評価、PTT血圧の評価を行なった。治療前、プラセボ治療後、OA治療後の3条件で評価しており、閉塞性睡眠時無呼吸の評価項目として、1時間あたりの無呼吸低呼吸の回数(AHI)、最低酸素飽和度を評価。また血圧の評価項目として、就寝前の収縮期/拡張期血圧の平均値、夜間の収縮期/拡張期血圧の平均値と最大値、呼吸イベント時の収縮期血圧の最大変化量、12mmHg以上の血圧上昇の回数を評価した。治療前に上記睡眠評価検査を用いてBaseline評価を行い、次に、 被験者をランダムに、口腔内装置(OA)治療介入群、 プラセボ治療群に分けた。治療介入期間は1ヶ月間とし、治療後の評価として睡眠評価検査を行った。ウォッシュアウト期間を1週間おいた後に、OA治療もしく はプラセボ治療を1ヶ月間実施し、再び治療後の評価を行なった。 高血圧の既往があるOSA患者12名のデータを得て、AHIは 17.5±5.6 vs 7.1±2.6/h (p<0.05)とOA群で有意な減少を認めた。 PTT血圧に関して、覚醒時の収縮期平均血圧は127.3±14.9 vs 114.8±11.0mmHg (p<0.01)、睡眠中の収縮期平均血圧は118.1±13.6 vs 107.5±12.7mmHg (p<0.05)、収縮期最大血圧は145.8±16.6 vs 132.2±14.9mmHg (p<0.05)、1時間あたりの収縮期血圧12mmHg以上の上昇回数は12.3±9.0 vs 7.2±3.8mmHg (p<0.05)といずれの項目もOA群で有意な減少を認めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
24症例がエントリーし、22症例が試験を終了している。 COVID-19の影響により、臨床研究の同意をえることが難しく、予定していた30症例には届いていない。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、被験者のリクルートを進め、2022年度内に30症例の試験を完了させる予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度は、COVID19により、学会や研究打ち合わせの出張が全て中止となった。また、研究に参加していただける被験者の数も少なかったため、研究協力の謝礼金も少なかった。次年度には、本年度にできなかった研究打ち合わせ出張や、被験者への謝礼として使用する予定である。
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