研究課題/領域番号 |
19K10260
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57060:外科系歯学関連
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研究機関 | 日本女子大学 (2021-2022) 東京医科歯科大学 (2019-2020) |
研究代表者 |
奥原 滋 日本女子大学, 家政学部, 研究員 (10451973)
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研究分担者 |
森田 圭一 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 准教授 (10396971)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 喉頭蓋 / 嚥下 / 弾性軟骨 |
研究成果の概要 |
喉頭蓋の発生を研究した。喉頭蓋は主に弾性軟骨からなる。本研究では2系統の喉頭蓋低形成モデルマウス(ShhEGFP;MFCS4delとFoxc1ch/ch)を用いた。喉頭蓋をなす弾性軟骨は頭部神経堤細胞由来と分かった。モデルマウスでは喉頭蓋の他、舌骨や甲状軟骨・披裂軟骨も弾性繊維に乏しいと分かった。弾性繊維の産生にはproelastion遺伝子Elnに加え成熟させる酵素群が必要だが、両モデルマウスともElnの発現は低下するが、酵素遺伝子の発現は低下していなかった。これらから、喉頭蓋軟骨は頭部神経堤由来細胞がShhシグナリングやFoxc1に依存してElnを発現することで発生すると明らかになった。
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自由記述の分野 |
発生学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
喉頭蓋が誤嚥を防ぐ役割を果たすには、弾性軟骨であること、周囲の骨・軟骨との間に靭帯や筋肉で結合していることが必要である。従って喉頭蓋軟骨が先天性低形成であるヒトは、胎児期・乳児期のみならず生涯誤嚥のリスクと戦う。本研究はヒト喉頭蓋低形成や誤嚥の原因を複数示唆している。遺伝子発現としては、弾性軟骨の主成分である弾性繊維の生成に必要なproelastin遺伝子の発現に、sonic hedgehogシグナリングとFoxc1転写因子が影響を及ぼすこと、組織学的には喉頭蓋軟骨自体とその周囲への結合に弾性繊維が多く含まれていることから、弾性繊維に乏しいために喉頭蓋の動作・機能が低下しうることを示唆できた。
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