研究課題
我々は、これまでに約300人のヒト智歯由来歯髄細胞株(DPC)を樹立・保有しており、これらの細胞から多能性幹細胞(induced Pluripotent Stem Cell: iPS細胞)を誘導し、再生医療資源として利用するための研究を続けている。近年、間葉系細胞の培養上清中に含まれる小胞(エクソソーム)が、様々な生理活性を示すことが分かってきているものの、その詳細は未だ不明なところが多い。そこで本研究では、ヒト智歯由来歯髄細胞株(DPC)とヒト智歯由来歯髄細胞株(DPC)に由来する多能性幹細胞(induced Pluripotent Stem Cell: iPS細胞)を培養した培養上清中に含まれるエクソソームを精製し、こうして得られたエクソソームを網羅的に解析し、安全性や再生治療、特に骨の再生能への影響について検討を行い、今後の応用へつなげることを目的とする。これまでの研究において、単離・精製するエクソソームに、血清由来成分やフィーダー細胞由来成分などが含まれないようにするため、これまで報告したとおりに、ヒト智歯由来歯髄細胞株(DPC)を無血清の培養条件のもとで準備し、これらの細胞から多能性幹細胞(induced Pluripotent Stem Cell: iPS細胞)をフィーダー細胞なしの無血清の培養条件で準備し、これらの培養上清をエクソソーム精製にもちいて、エクソソームを精製し特製の評価を行っている。今後、これらをもとに、上記培養条件下での細胞の性質や安全性についても合わせて、評価を行っていく予定である。
2: おおむね順調に進展している
歯髄細胞からのエクソソームの精製については順調に行えるようになっている。また、こうして得られた、エクソソームの特性についても現在解析中である。
エクソソームからmicroRNAを網羅的に検索・比較を行う。
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